
近年では、平渓・十分の天燈(ランタン飛ばし)で有名になりましたが、始まりは炭鉱会社が石炭運搬のために敷設した鉄道。終着駅の菁桐(チントウ)、天燈の十分(シーフェン)、猫で有名となった猴硐(ホウトン)も、かつては炭鉱で賑わった村々です。
そんな炭鉱時代の歴史にも触れながら、ランタンを飛ばしたり、猫に会ったり、ローカル列車に揺られて森を抜けてみたり…。沿線の村々を楽しんでみませんか。
■平渓線沿線図

気動車で、約1時間に1本の運行されています。
厳密には瑞芳~三貂嶺は宜蘭線、三貂嶺~菁桐間が平渓線となりますが、三貂嶺は山間にあり、台北から行くと瑞芳で乗換、瑞芳~菁桐間は直通運転されています。
ちなみに人気の観光地「九份」は車での移動が必要ですので、ご注意ください。
台湾屈指の炭田だった「菁桐」

ホームから見て線路を挟んだ反対側に、石炭を上から貨物列車に積み込むための設備が残っています。
木造の駅舎は、日本統治時代に建てられたもの。駅前の小さな老街には、昔の円柱状の郵便ポストが今も現役で使われています。




さらに駅から少し歩くと坑道の入口跡(石底大斜坑)や炭鉱施設跡が残る「菁桐煤鉱紀念公園」や、かつての日本人集落には、日本家屋が今も残っています(日式宿舎群)。


鉄道の危機も救った!天燈上げの「十分」

夜空に打ち上げる「平渓天燈祭」で有名になりましたが、普段から打ち上げできます。願いごとを書いたランタンを気球の原理で飛ばします。
でも、そこは線路の上!?
人と列車が共存する光景は、おおらかな気持ちにさせてくれます。




「平渓天燈祭」は旧正月15日に開催
夜空に一斉にランタンを飛ばす「平渓天燈祭」は、毎年、旧正月の15日(元宵節)に開催。真下から見上げた光景は圧巻! 現地ツアーもあります。ですが、内外から多数集まり大混雑。周辺は交通規制が引かれます。もし周辺含めて観光するなら、お祭り以外での日の観光がおすすめです。

炭鉱の記憶が息づく猫村「猴硐」

昔、ネズミ対策で多く飼われた猫たちでしたが、今も住民の手で飼育され、警戒心ゼロ。観光客を和ませてくれています。
ですが、猴硐は猫だけではありません!
駅前の「猴硐煤鉱博物園区」には、炭鉱時代の石炭選別工場やトロッコ橋、当時の作業風景を再現した展示もあり、見ごたえがあります。


旧・瑞三鉱業整煤廠(猴硐煤鉱博物園区)

工場は1990年まで操業されていましたが、閉鎖後、しばらく放置されたものの歴史的価値が高く、見学できるように整備。すごいのは、放置され劣化した状態で保存したこと。そこに「歴史」を感じます。


山で採掘された石炭は、トロッコを使って橋で基隆河を渡され、工場へと運ばれていました。




「九份」へは車で!
台北からみれば、「十分」も「九份」も同じ方面にありそうですが、実際はひと山もふた山も越えた別の場所。残念ながら電車ではいけません。
オーダーメイド観光手配の場合には、ご希望の観光内容に合わせて、コースを組みますのでご相談ください。
(公共交通機関のみの手配・ご紹介は行なっておりません。何卒、ご了承ください)