韓国MERSの状況(8/07最終更新)

韓国MERSに関する情報(2015年8月07日11:20更新)

※韓国MERSも終息方向に向かったことから、当ページでの更新は、8/7の更新をもって一旦終了させていただきます。

 韓国では5月20日に、中東呼吸器症候群(MERS・マーズ)コロナウイルス感染が確認され、受診した病院伝手に合計186名の感染者が出ましたが、7月5日以降、新規感染者は発生せず、隔離対象者も0名となりました 。

 7月28日、韓国政府は、医療界の判断をもとに、実質的に感染のリスクはなくなったとして、同国民に対して「事実上の終息」を宣言いたしました。

 現在の治療中入院患者は12名ですが、うち11名は、すでに2回のウィルス検査で陰性が確認されており、現在は既往症、後遺症に対する治療のため入院しております。
 ウィルス検査陽性の事実上の患者は残す1名のみで、リンパ腫の治療のため免疫抑制剤を投与しているため、確実に陰性になるには、まだ少し時間がかかる見込みです。
 ただし、この1名については徹底管理されおり、感染するリスクは極めてゼロに近いことから、「事実上の終息」となりました。

 その後、この感染とは別に中東からの韓国帰国者にMERS感染の疑い事例も発生しましたが、8/5現在、隔離対象者はおりません。

 なお正式な終息宣言は、WHOの基準に従い、陽性患者が0人になってから28日後に出される見込みです。

【参考】韓国MERSの感染者、死者の累計および隔離対象者の推移(2015/7/20まで)

・水色…感染者(累計)・赤…死者(累計)・黄色…隔離対象者(実数)

韓国MERS統計
出典:Wikipedia 「2015年韓国におけるMERSの流行」
By Phoenix7777 [CC BY-SA 4.0 ], via Wikimedia Commons

■経緯(概要)

5/20 平沢聖母病院(京畿道平沢市)にてバーレンから帰国した韓国人男性にMERS感染を確認
5/21 付き添い看護していた第1号患者の妻が発症。以後、平沢聖母病院にて感染が拡大。
5/27 平沢聖母病院にて感染した第14号患者が、自らソウル市サムスンソウル病院に転院。
   サムスン病院にMERS関わる情報が伝えられず、院内感染が広まる。
6/02 感染者が25名を超え、3次感染者もみつかる。以後、感染者増加。
6/04 韓国政府 第1号患者から感染が拡がった「平沢聖母病院」を公表。
6/07 韓国政府 MERS患者が受診した全24病院(当時)を公表(以後、随時、発表)。
6/13 WHOによるMERS合同評価団による分析・調査結果を発表。引き続き、対応は必要なものの「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態」には当たらないと結論。渡航、貿易制限はかけず。
6/27-7/1 感染者5日間連続で発生せず(ここまでの感染者累計182名)。
7/2-4 サムスン病院にて、看護師、医師、患者家族の感染を確認(感染者累計186名。以後、発生せず。)
7/5 1ヶ月ぶりに隔離対象者が1000名を割る。
7/27 韓国保健福祉部発表(26日終了時点)
   感染者累計186名(前日比±0)。
   うち死者36名(±0)、入院中患者12名(±0)うちウイルス陽性患者1名(±0)。
   隔離対象者0名(-1)
7/28 韓国政府、同国民に「事実上の終息」を宣言。

■最新の情報について

 最新の情報については在大韓民国日本大使館ホームページがわかりやすく、まとめられています。
 http://www.kr.emb-japan.go.jp/people/index.htm

 また同大使館のホームページには、日本語で受信可能な病院、連絡方法も紹介されています。
 http://www.kr.emb-japan.go.jp/people/safety/hospital.htm

 ○在韓国日本国大使館
  住所:Seoul特別市鍾路区鍾路1gil 42利馬Bldg.7F
  電話:02-739-7400(領事部代表)
     国外からは(国番号82)2-739-7400
  Fax:02-723-3528(邦人援護)
     国外からは(国番号82)2-723-3528

 なお、外務省の海外安全ホームページにも情報が掲載されております。
 http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo.asp?id=003#ad-image-0

■外務省「海外安全ホームページ」より

広域情報: MERSコロナウイルスによる感染症の発生(その61)【抜粋】

2015年08月05日(2015年08月07日現在有効)

1.中東呼吸器症候群(MERS)の発生状況

(3)韓国におけるMERS感染発生状況は次のとおりです。
ア.韓国では、5月20日に、バーレーンから帰国した韓国人男性に、同国初のMERSコロナウイルス感染が確認され、その後、同国国内で感染が拡大しました。
 韓国保健福祉部によれば、8月5日現在、韓国におけるMERS感染例は累計186人(渡航先の中国で確認された韓国人1人を含む)、うち死亡者数は36人、また、退院者は138人となっています。7月5日以降、新規感染者は確認されておらず、現在感染者のうち1人が依然として陽性の状態です。また、当該事案に起因する隔離対象者は、27日、最後の1人が解除となり0人となりました。

 当該事案とは関係のない中東からの入国者についても、8月5日現在、隔離対象者はおりません。詳細は以下の韓国保健福祉部ホームページをご参照ください。

 (参考)韓国保健福祉部HP(原文)
  http://www.mers.go.kr/mers/html/jsp/Menu_B/content_B1.jsp?cid=26740
  http://www.mers.go.kr/mers/html/jsp/main.jsp

イ.7月28日、韓国政府はプレスリリースを発表し、MERSの政府対策会議でファン総理が、新規感染者が発生しておらず、隔離対象者もゼロになった状況などを総合すると、韓国国民は安心し、あらゆる日常生活を正常化するようにとの宣言を行いました。一方、正式な終息宣言は、陽性患者が0人になってから28日後に出される見込みです。

ウ.保健福祉部は、以下のコールセンター及びホットラインを設置し、MERSに関する電話受付を行っています。
 
ソウルコールセンター:韓国国内からは(市外局番02)-120、
              国外からは822-120
 大田コールセンター :韓国国内からは(市外局番042)-120、
              国外からは8242-120
 京畿道コールセンター:韓国国内からは(市外局番031)-120、
              国外からは8231-120
 保健福祉部設置のMERSホットライン(日本語及び英語での対応可)
               :韓国国内からは109(フリーダイヤル)
              国外からは82-43-719-7777

エ.韓国政府は、観光目的で入国した外国人を対象とする保険制度「外国人観光客MERS安心保険」の適用を開始しました。保険内容の概要は以下のとおりです。詳細は以下のリンク先をご参照ください。
http://www.anzen.mofa.go.jp/anzen_info/pdf/insurance_japanese.PDF
(ア) 保険名:外国人観光客MERS安心保険
(イ) 適用時期:2015年6月22日~9月21日(3か月)
(ウ) 適用対象:観光目的で入国した外国人(就業、永住及び乗務員の在留資格を取得して入国するものは除外。)
  ※除外対象については上記リンク先の2頁目を参照。
(エ) 加入手続き:入国時に自動加入(別途の手続きは必要ない)
(オ) 補償内容
● 入国日から20日以内にMERS確定診断が行われた場合:500万ウォンの治療補償金支給
● 確定診断日から20日以内に死亡した場合:1億ウォン死亡補償金支給
(カ) 問い合わせ先(日本語可)
● 韓国内:1330(観光案内電話)
● 日本国内:韓国観光公社
      東京支社 (03)5369-1755
      大阪支社 (06)6266-0847
      名古屋支社 (052)223-3211
      福岡支社 (092)471-7174
(キ) 請求方法:病院においてMERS診断の証明書(死亡の場合は死亡証明書)を入手し、韓国旅行業協会に提出。

オ.韓国・WHOによるMERS合同評価団による分析・調査結果が6月13日、「ハイレベル・メッセージ評価及び勧告」として発表されました。主要点は以下のとおりです。
 ●ウイルスがその感染力を増したとの強固な証拠は見られない。
 ●韓国でのMERSの流行は、これまでに中東の病院で発生してきたものと同様の疫学的な様相を示している。
 ●現時点において、市中で感染が広がっていることを裏付ける証拠はないが、流行が終息するまで、この可能性に対しモニタリングを継続することが極めて重要。
 ●韓国におけるMERSの流行は大規模かつ複雑であり、今後も感染例の増加が予想される。韓国政府は、警戒態勢を緩めず、流行が完全に終息するまで、強化された疾病統制、監視、及び予防措置を継続しなければならない。
 ●学校はMERSの感染拡大と関係なく、授業の再開を真剣に検討すべきである。

(参考)WHO:News Release(英文)
  http://www.wpro.who.int/mediacentre/releases/2015/20150613/en/#

(4)6月16日に開催された国際保健規約(IHR)緊急委員会第9回会議を受け、WHOは、韓国におけるMERS感染者の発生状況について、現時点では持続的なヒトからヒトへの感染を裏付ける証拠は見つかっておらず、「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態(PHEIC)」としての条件は満たされていないと結論付けた上で、渡航や貿易に対する制限を勧告しないとの見解を示しています。