[話題] 扶余・陵山里古墳群の発掘調査で、2基が百済王陵級であることが判明

 韓国文化財庁は、百済最後の都があった扶余にある陵山里古墳群において発掘調査を行ない、かつての発掘記録のみが残り、正確な位置が不明となっていた4基の墓を再発掘し、位置を特定、うち2基は百済王陵級であることが判明したと発表しました。

 不明だった4基の墓の墓は、百済後期のもので、1917年、日本の学者によって発掘調査が行なわれ、「大正6年度古蹟調査報告」(1920)で陵山里王陵群の西側に王陵に次ぐ古墳4基があるという記録は残されていましたが、その後、正確な位置が不明となってしまっていました。
 今回、発掘調査が行われたのは、その4基(陵山里西古墳群7号墳、8号墳、9号墳、10号墳)で、うち8号墳と10号墳は王陵級古墳であると判明しました。
 百済の王陵級墓で護石(墓を囲む石)が確認されたほか、古墳入口から遺骨を安置した部屋に続く羨道の門の外には漆とメッキの跡がある木棺彫刻と金銅のクギも見つかっています。また、木棺の樹種は公州の武寧王陵などでも見られた高野槙(コウヤマキ・金松)であることが明らかになりました。この発掘により、百済王陵の築造技法がより明確に解明できると期待されています。
 また、今回の発掘調査により、これまで知られていなかった古墳3基も新たに追加発掘したと発表されています。

 

2016年9月21日 | カテゴリー : 話題 | 投稿者 : nikomaru