
金銅半跏思惟像(韓国国立中央博物館蔵)
左足を台座からおろし、右足を左ひざの上に乗せ、右手の指を頬にあてながら、思いにふける半跏思惟像。
両国に残る類似の半跏思惟像が、韓国・ソウルの国立中央博物館と日本の東京国立博物館で期間をずらしながら、二体同時展示されます。
半跏思惟像は、古くはインドに始り、5~6世紀頃に中国で、韓国では6~7世紀頃、多く作られたと言われています。今回、展示される韓国の半跏思惟像は国宝78号の銅造で高さ82.9cm、6世紀(500年代)後半頃の作と考えられています。
時は、高句麗、百済、新羅に分かれていた三国時代。日本に仏教が伝来したのは、538年頃、百済の聖明王の時と言われています。その後、百済から仏像や製作技術も伝わり、飛鳥時代の7世紀頃に造られた一つが奈良・中宮寺の半跏思惟像です。「木造菩薩半跏像」として、やはり日本の国宝に指定されています(クスノキ材・高さ132.0cm)。
この二つの仏像は、かねてより両国の文化・技術的な繋がり、交流を指し示す一つの証拠として、よく比較されてきました。大変よく似てながらも、一方で、よく見比べてみると、それぞれの表情には微妙に国民性の違いも出ているんだとか。
今回の企画は、日韓国交正常化50周年を記念し、民間レベルで2年をかけて実現に至ったそうで、昨年末に調印、初の二体同時展示となります。二体は対面するような形で展示されるそうです。過去から現代に至るまでの日韓両国を見ながら、何を思い、何を語り合うのでしょうか。
特別展は、まずソウルの中央博物館で2016年5月24日から6月12日まで「韓日国宝半跏思惟像の出会い」として、その後、6月21日から7月10日まで、東京国立博物館で「ほほえみの御仏-二つの半跏思惟像-」として開かれます。